私は、目の前に広げられた本を見た。

……蒼羽の欠点2は、超が付くほどのホラー・オカルトマニア。
大体の男子が、この姿を見て諦めていく。
クラス替えをした新しいクラスは、また1からのスタートだから、たまに男子が可哀想に見えてくる。

「今度はね、捨て子トンネルだって!
探してみたら、全国にチラホラあるみたい。」

「…の前に、後ろの男子にアドレス教えたら?」

蒼羽は話の腰を折られて、不満気に後ろにいた数人の男子に話しかけた。
私はその間に、蒼羽の本にある程度目を通しておこうと、その本を見ていた。

すると、誰かが机をコツンと叩いた。
蒼羽が戻って来たかなって、その人を見た。

……蒼羽じゃない。