樹里はやっぱり傘を持っていなかった。

オレは置き傘をしていたから、相合い傘で駐車場まで歩いた。

小雨の音が傘に響く。

初めての相合い傘に、オレは浮かれていた。

樹里が食堂で、どんな噂を耳にしていたかも知らずに。