コーヒーを淹れて、適当に席につく。

しばらくして。
寺原さんが、食堂に入ってきた。

可愛い!
やっぱ、可愛い!

胸がドキドキした。

こんなの、オレらしくない。

いいなと思った子がいたらいつもなら、すぐに声をかけられるのに。

寺原さんには声をかけられない。

迷いに迷って。
寺原さんが、食堂から出て行くタイミングで声をかけることにした。

「寺原さん」

「はい?」

寺原さんが振り向いた。
そして、オレを見るなり、口を開いた。

「あの、治ったんですね?」

って…