その日は、朝以外に樹里と会うことなく1日が過ぎていった。


「佐伯さん」


仕事帰り。
時々、うちの部署に手伝いに来てくれる、村中さんに声をかけられた。
噂では、オレに気があるとかないとか。


「お疲れ」

「お疲れ様です」

オレと村中さんは、世間話をしながら、駐車場へ向かった。

まさか、この姿を樹里に見られていたなんて。
思うことなく。


家に帰ると、携帯を取り出した。
今日は樹里とまともな会話をしてない。
声が聞きたい。

樹里の携帯にかけた。