「樹里、オレ掃除してろって言ったよな?」 「言ったけ?」 「あれだけ、いい返事しておいて、聞こえなかったとは言わせないぞ?」 樹里を睨みつける。 「わー。ごめんなさい。掃除頑張ります!」 「本当、樹里は手のかかる奴だな」 「すみません」 「やっぱ、オレしかいないな。樹里の相手できるのは」 オレはボソボソと言った。 こんなの聞かれたら、調子に乗るに決まってるからな。 「え? なに?」 樹里が聞き返してくる。 「なんでもない。掃除するぞ」 「うん?」 樹里は首を傾げていた。