オレは、樹里が隣に座ると、伝えたいことを早々と伝えることにした。

「なぁ? 樹里?」

「なに?」

「このアパート解約しないか?」

「解約?」

「オレと一緒に暮らさないか? まぁ。既に暮らしてはいるんだけど、アパート解約して、あのマンションで暮らさないか?」

「いいの?」

「うん。で、さ…」

「どうしたの?」

樹里が首を傾げた。

そう。伝えたいことは、一緒に暮らそうということと。

もう1つあったんだ。

むしろ、こっちが本題だ。

「あー。なんでもない」

「なにそれ? 気になるんだけど」