「何よそれ! あたし飲んでたのに邪魔したクセに」

「何? オレが他の女と仕事してるのが不愉快でヤケ酒でもしてたの?」

「……」

「ふぅん」

オレは笑みを浮かべた。

樹里が妬いてくれたのかと思うと、嬉しくなってしまった。



樹里のアパートの前で車を停めた。

オレも一緒に車から降りて、アパートまでついて行く。


「おやすみ。元カレさん」


樹里がそう言い残して、玄関のドアをしめようとした。

でも、オレは足でドアを挟み、閉めさせないようにした。

「もうなんなのよ! あたし達別れたんでしょ!?」

「オレは別れた覚えないけどね」

「はっ?」