店を出て駐車場へ向かう。

樹里は車に乗らず歩いて帰ろうとしていた。

オレは車から降りて追いかけた。

「樹里、乗らないのか?」

「元カレの車なんて乗らない」

元カレって……。

「ダメだ。車に乗れ」

「歩きたい気分だし。村中さんにヨロシク」

村中さんにヨロシクだと?

コイツ、やっぱり誤解してる。

オレは、樹里をひょっいと抱きかかえた。

「亮二、おろしてよ!」

樹里の言葉なんて無視。

そして、車に乗せた。

「たくっ。オレに逆らおうなんて、100年早いんだよ」

車を走らせながら口を開いた。