しばらくすると顔に何かが乗っかった ふと目を開ける 鼻にピンクの花びらが乗っていた 「…桜」 指で摘まみフッと息を吹き掛けると ひらひらと宙に舞った 横になっているベンチの隣に桜の木がある ふと上に目を向けると 校舎の屋上に誰かが立っているのが見えた 黒く長い髪が風に揺れている ポケットに手を入れて ただじっと桜を見ていた 再び重くなり閉じていく瞼の間 少しずつ視界がぼやけていく中で 一瞬だけ 目が合った気がした