「――本当は、こんな事したくないんだろう、夕羅は優しい奴だ……もう、“神隠し”として生きなくていいんだよ」 夕羅の瞳が大きく見開かれる。 “神隠し”として生きなくてもいい…………? “存在理由”を、大好きな緋葉に否定された夕羅はかぶりを振る。 “神隠し”と生きなければならなかった自分。 “神隠し”として生きるしかなかった自分。