闇よりも暗い暗い世界に落ちていく中、真冬はゆっくり目を開ける。



「…………冬音、やっと君を解放する事ができるね」



ようやく叶う望みに密かに涙した。



「……これが、最後だ」



もう先がないらしく、地に足がつく。真っ暗なここがどこなのかわからないまま足を進める。



足音はしない。ただひたすら闇の中を、無音のこの世界を歩くだけ。



「嫌な場所だな……」






まるで、どこにもたどり着けないような――――