真冬は最初からすべてを知っていた。



緋葉の事も、夕羅の事も、雨芭の事も。



知っていても、水露にも、隼政にも語らなかった。例えそれを語ったとして、隼政の友達であるあの少年が助かる事はない。






語ったところで手遅れだ、もう神隠しは“ヒト”の手から離れてしまったのだから。