『パラレルワールド』



もうひとつ存在する現実。



『隠れ』と『緋夢』は対の存在で、悪夢を繰り返すための、神隠しを終らせないための、一種の檻なのだと。






「神隠しがヒトの生んだものなら、彼岸の巫女はヒトが生んだ神隠しに対抗する手段。

――ねぇ、誰が被害者かしら」






何度でも人は繰り返す、同じ過ちを。






何度でも人は繰り返す、争いを。






雨芭は沈黙する。






あの少女が最後に言った言葉が頭から離れない…………