隼政が過去に来て三日間。



過去に来てわかった事は二つ。一つ目は冬音と真冬は二人暮らしであるという事、二つ目、真冬は祭事の準備で何日も家を空けているという事――



隼政はぼーっと外の景色を見ていた。神隠しに遭ったにも関わらず、あまりにも平穏すぎる。



そんな隼政を見た雪芭はため息をつき、掃除機をかけていた手を止める。



「ちょっとサボりすぎ。冬音さんが出掛けている間までに、やらなきゃいけない事たくさんあるんだけど」

「わかってるって……ちょっと考え込んでただけだろ」

「ちょっとが長い。で、何考えてたわけ?」

「俺と水露と出会ってない前の事にしたって、なんで冬音さんの事……真冬は話さなかったんだろうなってさ」

「理由があるからじゃないの?」

「フツーに考えたらそうかもしれないけどさ……。そこまでしなきゃいけない理由ってあるか?水露姉にまで嘘、ついて……」



隼政はそこまで言って黙ってしまった。今さらながらに自分の中でかなりショックなのだと、あらためて思い知らされる。



それだけ真冬の事が大好きで、真冬のいる暮らしがあたりまえになってしまっていた。



誰よりも信頼していた分、ショックもひとしおだった。