すべてを聞き終えた雪芭は信じられないといった様子で、困惑してるようだった。



真冬の姉の存在も、隼政と同じでやはり一度も聞いた事がなく、見た事すらない。



長い間沈黙が流れる。口を開いたのは、雪芭だった。



「ここは過去で、しかも聞いた事のない真冬さんのお姉さんの存在……隠さなきゃいけない何かがあった、とか」

「隠さなきゃいけないってなにを?」

「知らないよ、思っただけだし」

「……あっそ。真冬さ、昔神隠しに遭った事があるみたいな事いってたし、まだ生きてるのかって、あの夕羅とかいう女の子にいわれてた」

「ふーん……なんか、一筋縄にいかなさそうだね。オレたちも、ある意味神隠しに遭ったようなものだし。

今頃、雨芭どうしてるかな……」






雪芭は窓から見える景色をみた。






過去から脱出する決意ではなく、過去から真実を探すための決意を。