「隼政……なんかあったの?」



隼政は答えない。



ここは恐らく過去。真冬の姉という、冬音がいる。しかしなぜ、過去である人と接触できるのだろう――――



「いって――!!!」



深い思考に入ろうとした隼政の頭を、雪芭がげんこつを落とした。普通手加減をするものだが、時と場合によっては容赦がない。



「イノシシみたいに突っ走るの禁止」

「イノシシ!?いやそれ、お前だよっ」

「そうだっけ?まあいいや、それでどうしたの?」

「はあ……ゆっきーはそういう奴だよ。実はさ……」



これ以上無駄話を続けるわけにもいかず、隼政は雪芭が倒れている間の事をすべて話した。



雪芭は真剣に隼政の話に聞き入っていた。