目に飛び込んだのは、見知らぬ部屋と本を片手に本棚の前に立つ雪芭の姿があった。



「……ゆっきー?」

「うん」

「彼氏持ちの女子からバレンタインのチョコ貰って、それで逆上した男を半殺しにした……あのゆっきー!?」

「絞めるよ?」



本気で睨まれ、隼政は苦笑いを浮かべる。間違いなく雪芭だと確信をし、幾分ほっとする。



「無事……なんだな」

「そうみたい。誘き寄せるのが目的だったのかもね……まあ、憶測だけど」

「……ゆっきー、あのさ」



隼政が何かを言いかけた時、ドアが開く。