深い闇に夕羅と真冬だけが取り残された。



くすくす夕羅が笑う。



「あの子たちを真冬の過去へ還したの。過去から現在へは戻れず、永遠に過去を彷徨う事になるわ。

ねぇ、真冬……もっともっと苦しんで、後悔して。簡単に死なせてあげないから」

「……」

「緋葉さえいればいいの。ヒトも、セカイも、壊しちゃえばいいのに。緋葉を傷つけるもの、奪うもの、みんないらない」

「……隼、雪」






依存と執着心。






これほどまでに、恐ろしいものはない――






真冬はそのまま、深い深い闇へ落ちていった。