「やましい事があるからよね。ヒトは、都合が悪くなると嘘をつき、隠したがる生き物。

ねぇ、真冬の姉様の事知りたいでしょう……?」



思わず少女の顔を見る。



信じてはいけないとわかってるのに、隼政の中では既に恐怖感より、真実を知りたい気持ちの方が大きかった。



「違う!夕羅の話を信じたら駄目だ!!!」



必死に叫ぶ真冬の声も、隼政に届く事はなく、闇が深くなった。



「くそっ……シクカミカ、シクカミカ」

「無駄だわ。もう、捉えてしまったもの」

「なんだって……!?」



真冬の周りから、景色がすべて消え失せ、隼政と雪芭の姿も何処にもない。