「シクカミカ、シクカミカ。闇を退けろ」



何も変化は見られず隼政は首を傾げる。陰陽師のようなものだろうか。



「今のは……?」

「僕が神隠しに遭った時、彼が教えてくれたものだよ」

「え……?」

「うん。今も姿は変わってないだろうけど……見えてきた、社だ」



真冬が言った通り、社が見えてきた。



そして、地面に倒れている少年と狛犬に乗る少女が目に入り思わず、隼政が叫ぶ。






「雪芭!!!」