「走れ!!!」

「え?」

「石段を一気に駆け上がって、社へ行け!神隠しに捕まったら最後、歩を救えなくなるぞ」

「わ、わかった」



明かりもない道を全力で走り、見えてきた隠れ神社の石段を息を切らせながら上を目指す。



何度も足をとられそうになりながらも、必死で上る。大体神隠し自体、目に見えるものではなく、見えない何かに追われるのは精神的にきつい。



「ふ、ふゆ……ここ何段あるんだっけ?」

「五十段」

「嘘だろ!?てか、五十って……」



隼政はいよいよ限界だと思った瞬間、真冬が後ろを振り返り何かを呟いた。