「なあ、雪芭」

「なに?」

「今幸せか?」



あまりにも唐突な質問に首を傾げる雪芭に雨芭は苦笑した。



「こんな結末になって、普通なら幸せっていうような奴いないだろ?だから、どうだったのかなって思ったんだよ」

「……なるほど」



雪芭は雨芭と並んで無色透明な世界を歩く。質問の意味を理解した雪芭は、迷う事なく言った。



「幸せだったよ。隼政と歩がいたから、オレの人生は幸せだった。偽りのない本心だよ」

「そうか。俺も幸せだったな、辛くても、隣には雪芭や緋葉がいたから。後悔しても、自分の人生には後悔なんかしてない」



雨芭が手を差し出すと、迷う事なくそれを掴む。






もう、迷わない――――