ずっと友達だと思っていた。



何があっても、友達でいられるとそう信じていたし、ずっと関係は何も変わらずに続いてゆくものだと信じて疑わなかった。



歩の記憶は戻っていないはずなのに――



隼政がそんな事を考えていると、雪芭が歩の亡骸にしがみつき心ここに在らずという状態で、何かをぶつぶつ言っている。



ただそれがあまりにも小さく聞き取りづらい。



雪芭の服もあかい。



「…………おい、雪芭」



それがあまりにも不気味で隼政が声をかけた時、最後の言葉だけが聞き取れた。






「…………歩、すべて終わらせたらオレもすぐいくから、待ってて」






そう言って、雪芭は歩から血で染まった包丁を引き抜いた。