どうしてこんな結末になってしまったのだろう。



雪芭は最悪な結末という悲劇の中で、心の中で何度も繰り返す。



何がいけなかったのだろう。



歩と隼政の笑った顔が頭から離れない。友達を刺した記憶、感触がちゃんとあるのに、非現実のような気がした。



雪芭は酷く動揺し顔は青ざめていた。



「………………オレが、殺した?」



さっきまで絶叫していたとは思えないくらい、弱々しい声で呟く。



隼政は答えない。



いや、答えられなかった。友達に殺されそうになり、記憶のない友達が自分を庇い刺され……隼政は茫然と立ち尽くすしかなかった。



友達だった。



確かに友達だった。



「…………もう、友達でもなんでもないな。俺たち…………」



隼政の口から零れた言葉は雪芭の耳には届いておらず、ただ虚しく響く。