終わるはずだった神隠し。



終わると信じていた神隠し。



雪芭は苦々しそうにぼやいた。



「なんで……なんで、こうなるんだよ。どうして、オレたちがこんな目に遭わなきゃいけない?どうして、オレたちなんだ……」



大好きな雨芭はもういない。



現実は非情だった。よくテレビのニュースで報道される事件や事故で、家族や友達、恋人、大切な人を失い涙声になりながら切々とその思いを語る被害者を思い起こす。



自分には関係ない。



どこか遠いよその国で起こった事のように、自分はずっと無関係だと信じて疑わなかった。



最低最悪な考えだ――と、今になって思い知らされる。



雪芭も隼政も顔色が悪く今にも倒れそうだった。ギリギリの気力だけで、持ちこたえてるに過ぎない。



歩もそれ以上口を開かなかった。記憶がないのだから、相当不安に違いなかった。



真っ暗な夜と同じように、三人の心境も真っ黒に塗り潰されていた。このまま三人でいたら、最悪な結末に陥りそうな時だった。



突然空から声が降ってきた。