目覚めた時最初に映ったものは、闇。



闇は目に映るもの全部を覆い隠し、気配さえ飲み込む。まるで、自分だけしかいないようなそんな気さえしてくるから不思議だ。



不気味なくらいの静寂。



ここはどこなのか。彼岸花が辺りを見回すと、暗闇の中の石像を見てああと納得した。



凛とした佇まいの狛犬が二匹。



ここは神社なのだとわかり幾分かほっとする。しかし、頼る人もいなければ自分の元は彼岸花で、これから一体どうすればいいのかわからない。



途方に暮れていると、どこからか奇妙な唄が聞こえてきた。