なかなか目覚めない歩に隼政と雪芭の顔色は蒼白で、ただ名前を呼び続ける。



隠れの神社に倒れていた歩を見つけ、喜んだのはつかの間だった。



歩の目はしっかり閉じられたままで、一向に起きる気配が見られず、さすがにやばいと感じた二人は本気で焦り始めた。



「あゆっち、いい加減起きろよっ!やっと会えたのにどうして起きないんだよ!?」

「歩……頼むから、目を覚ましてくれ」



隼政と雪芭の祈るように言葉を紡ぎ手を握りしめる。



その時、ぴくりと指先が動く。



「あゆっち……」

「歩……」



祈りが通じたのか、歩は二人の祈りに導かれるように目を開ける。



「…………ん。ここは…………?」



嬉しさのあまりに勢いで歩に抱きつく。



「よかった、よかった」

「…………」



涙声で歩を抱きしめる隼政。



雪芭は何故かわからないが妙な胸騒ぎがした。勘違いであってほしい、雪芭は思わず息をのむ。






「…………………………誰、ですか?」