瞳の向こうへ

甲子園開会式当日。

お天気は快晴ではないけど、時々日差しが照りつける程度。

雨の心配はないとのこと。

訳ありの二人には最高の野球観戦日和です。

松井さんは仕事で今日は不在。

両親も仕事で不在なので、保護者は一人だけです。

「待たせてごめんなさい」

「何回目のトイレですか?」

「数えたら行きたくなるので数えません」

お腹をさすりながら出発の準備を急ぐ潤子先生。

見ての通りです。

最もやけくそ気味だったのは潤子先生でした。

私と食べる量そんなにかわらなかったはずなんだけどなあ。

やっぱり若いっていいよ。

「行きますか」

身体を刺激しないように気を配りながら歩く。

どっちが病人なんだか。