タタタタッ


私の後ろから足音が聞こえる。


侑李くん?


「彩華先輩?」


振り向くとそこにいたのは....


「淳太くん。」


淳太くんが不思議そうに私を見ている。

そして...


「どっどーしたんですか!!?」


私が泣いていることに気づくと慌て出す淳太くん。


「....なんでもない」


「ことないと思いますけど?」


「っ!!?」


心配そうに顔を歪める淳太くんの手が私に伸びる。


ギュッ


「何も言わなくていいです。けど、一人で泣かないでください。」


淳太くんに抱き締められて硬直する私。

淳太くんの腕の中はとても暖かい。


「ありがとう。」


私はしばらく淳太くんの腕の中で泣くことにした。