Side侑李


彩華先輩を強く抱き締める。


こんな先輩、見たことない。


「スーッスーッスーッ。」


規則正しい寝息は彩華先輩のもの。

僕の腕の中で泣き疲れた彩華先輩は静かに眠っていた。


すごく可愛い人だと思う。


今も正直我慢するのが大変だ。


彩華先輩の涙を拭ったあと、キスがしたくてたまらなかった。

でもきっとあのときキスをしてしまったら歯止めが利かなくなっていただろう。


僕はこの人のことが本当に愛おしいのだと思う。


失うのが怖いほど。