「このタイヤの後、奴らの所まで続いてるよな、きっと」

 おっちゃんは、舗装もされない土のままの道を歩きだしながら呟いた。 

「おっちゃん、待ってくれよ」

 慌てておっちゃんの背後にくっつき、歩を合わせた。 

「おっ、ここから分かれてるな。俺達が来た道とは別の方向だ」

 おっちゃんの口調が厳しくなった事に、僕はこれが遊びではないことを改めて実感させられた。おっちゃんは、この後どうしたいのだろうか。まさか、アジトに侵入して奴らを叩き潰すなんて言わないだろうな。そんな事をしたら・・・・
「おっちゃん、どうするの?」

「奴らの居場所を突き止める」

「いや、その後だよ」

 おっちゃんは暫し無言になった後、こう言った。 

「分からない」

 僕は呆気に取られた。