もう目の前まで迫っている別れ。
私はひとつひとつの出来事を思い出していた。
……初めて会う私たちに、とても優しく接してくれたおばさんやおじさんたち。
本当の家族のような、心地よくも暖かい温もりで私たちを包んでくれた。
本当に短い間だったけど、すごくすごく楽しかったんだよ。
本当に本当に、幸せだったんだよ。
もっともっと、一緒に居たいと思えたんだよ。
頬に流れる温かい雫が何なのかは分かっていたけど、私は拭わず、まっすぐに前だけを見つめる。
見つめている先には、あの時と変わらず……優しく微笑んでくれている、あの女性。
その笑顔を見て、また別の涙が流れる。



