Memory~記憶の欠片~






気がつくと私はベッドの上にいた。


まだ外は暗い。



枕が濡れている。



どうやら私は本当に泣いていたみたいだ。



瞼を閉じる。



菊理媛の事をまだ完全じゃないけど思い出せて本当に良かった……。


そう言えば菊理媛が言ってた、


“もう少し私との記憶が戻ったまた外でも会えるようになるわ”


この言葉が気になった。


菊理媛って先祖って事は幽霊なのかな??


色々考えてみたけどわからない。



少しして瞼を開けて周りを見渡すとベッドの側でりっくんが寝ていた。


私の手を握ってくれている。



「……しーちゃん。……泣かないで……」



えっ!?



「………スー……………スー………」



どうやら寝言だったみたいだ。


心配を掛けてすごく申し訳ない気持ちと、心配してくれてすごく嬉しい気持ちが入り混じる。



「…ありがとう…」



きっとりっくんはずっと看病してくれてたのだろうから起こすのは悪い。


近くにあったカーディガンを掛けてあげて、私はもう一度眠る事にして瞼を閉じた。