Memory~記憶の欠片~






何で確認するのか意味が分からない。


ひめさんは私の心を読んだかのように疑問に答えてくれる。



「記憶を取り戻せば、あなたはきっと辛い現実に戻ってしまう。今なら私があなたの記憶を全て封印出来るわ」



ひめさんはとても切なそうに私を見つめてる。


その瞳がすごく温かくて懐かしい。



「………私はみんなのために記憶を取り戻します。私自身みんなとの記憶を取り戻したいですから♪」



私は微笑んだ。



「……そう」



ひめさんは私がそう答えるのが分かっていたのかあまり驚いていない。



「あなたがそう決めたなら私はそのお手伝いをしましょう」


「えっ??」



ひめさんがそう言ったとたん、周りの景色が変わり始めてひめさんの体が薄れていく。


私が手を伸ばしても届かない。



「これから流れるのはあなたの記憶の欠片よ。あなたの記憶の1つ目のメモリーピースを私が見せてあげるわ」



それだけ言い終えるとひめさんは消えてしまい、私の手だけが虚しく残った。