俺は非情にもツキというものに見放されてしまったようだ。



ツキに見放されたのは、いつからだったか……





ツキに見放されてからというもの

運転中の右折時に、前の車が停止したから俺も停止したのに、俺が激しくクラクションを鳴らされる……

食べながら歩いていた女子高生が急に振り返り、俺のスーツにハンバーガーがべっとり付く……

お腹が痛くなり公衆便所に駆け込めば個室は全て塞がっている……

犬のフンを踏む……

ガムまで踏む……


家に帰って電気を点けようとすると『バチッ』と音がして電球が切れる……

寒くてファンヒーターの運転ボタンを押せば、タイミングが良いのか悪いのか給油のお知らせ……

飯を食おうと炊飯器を開けるとスイッチを入れ忘れていたのか炊けてない……


イラッとくるこんなことは日常茶飯事!当たり前!むしろ慣れた!




だがしかし……
そんな俺に追い打ちをかけるかのように……


とうとうイラッとでは済まないことが起こった。






栄転という名の転勤を命ぜられたのだ!