4時間目が終わり俺は昼食をとったあと、壁に仕組まれた秘密通路に飛び込み、狩魔師(レクタリア)の教室に向かった。
「遅ぇぞ」
教室に入った途端、かっこいいが中身が残念な零。
「なんだとー!!」
「おっ、やんのか?クズが」
零は立ち上がり、構える。
俺も負けじと構える。
すると教室の扉が開いた。
俺たちは扉の方を向く、が。
「「?」」
ただ開いただけで誰もいなかった。
俺たちは顔を見合わせ、ひそひそ話をする。
「……誰…だ?」
「……知るかよ、見てこいよ…」
「はぁ…!?嫌だよ…」
「いいから…行けって…!!」
零が俺の後ろに隠れながら、扉の方に俺をゆっくり押していく。
「……ちょっ、待てって――」
『何をしているのだ、刹那、零』
ビビる俺たちを脅かすように足元から聞きなれた声がした。
「ブレイクっ!?」
『?』
俺たちは安堵の溜め息をついた。
そのあと直ぐに零は腕を組み、上から俺を見下ろした。
「はっ、ザコが。……お、おおおばけかと、おもっ、おっ、思ったん、だろっ。ばっかじゃねぇのっ!?」
「はあっ!?んだとテメェ!」
『(零よ、主が一番ビビっておったのだな……)』
またやってみるのも楽しみだなと、ブレイクは笑うのだった。

