「おやー、噂をすれば夜月刹那クンではありませんかー」
「うるさい」
俺は涼子の背中に手を回し、立ち上がらせた。
「大丈夫?」
「セーちゃん…」
俺は涼子に笑顔を向け、ジャスを睨む。
「アンタがジャレス・チークか」
「はい★」
「女か、男か?」
「オスでございますなー」
俺は背に、悠太と涼子をつけ、ジャスを睨み付け、口を開いた。
「涼子になんのようだ」
「なんでもありませんよ、ねぇー?」
ジャスは涼子をチラリと見ると俺に向き変える。
そして俺の胸に手を当て、撫で始めた。
「!?」
「ブレイク?いるのでしょう?………出てきなさい」
するとジャスの手から光が溢れる。
その手が被さる俺の胸が次第に熱くなり、何かが引き出される、そんな感じがした。
「(なんだっ、これ…!)」
「セーちゃん…?」
「刹那…?」
背後から心配そうな声が聞こえる。
「くっ……(なんか、痛い!)」
俺はその大きな衝撃を受けるのに耐えることしかできない。
「さあさあさあさあ!!!」
ジャスは目を不気味に光らせ、何かを待ち望んでいる。
すると体から何かがシュルシュルっと抜け落ち、その勢いに俺は崩れ落ちた。
「セーちゃん!」
「ってぇ……」
俺は頭をかき、目を開いた。
「(なんだ…?こいつは)」
目の前には小さな黒いリスのような、いや、リスが、首に赤いスカーフを巻き、ちょこんと座っている。
俺は目をぱちくりさせる。
『なんだとはなんだ。我はブレイクであるぞ』
「!?」
確かに聞こえた。
この小さい黒いリスから。

