空はどんよりと雲がかかり、今にも雨が降りそうな天気になっている。
「何が、違うんですか?」
ジャスは眉をピクリと動かし、口に弧を描く。
「それは…」
「夜月晃汰」
「っ」
「っ」
涼子と同様に、俺も喉を詰まらせ、目を見開く。
ジャスは目を細め、続ける。
「彼はもう、アナタの父を殺した妖魔と同様、“悪”側に既に着いております」
「晃汰がっ……!?」
「はい♪」
『やはりな』
ブレイクが俺の中でポツリと言う。
こういう時、本当に外部にブレイクの声が漏れてないか、不安になる。
「(なにがだ?)」
『ジャスも気付いておった』
「(やっぱり、偉い人だから情報循環が速いのかな?)」
『そういう事だ』
ジャスはまだ口を開く。
「もう彼、夜月晃汰は普通の人間には戻れない。ましては、“善”側には戻れない」
「そっ、そんな……」
「だからアナタはもう、夜月晃汰とは一緒にいられないのです」
「……」
この時、涼子の頭の中にある言葉が流れる。
“「……俺と…結婚、してくれませんか…?」”
公園でされたプロポーズ。
忘れられない、涼子の大切な思い出だった。

