涼子は瞬間的に悠太を抱き締めると「誰?」と問った。
その涼子の言葉に目を丸くした帽子の人は悠太をチラリと見たあと、帽子を取り、礼儀正しくお辞儀をした。
「ワタシはジャレス・チークと、申します★ジャスと呼んでいただけると光栄です♪」
「ジャレス・チーク…」
涼子はその名を呟き、ゴクリと喉を鳴らした。
「おやー、そちらのオジョーサンは何かを知っているようですねーーー??」
「……っ」
「柳田先生…?」
悠太は涼子の名前を呼ぶと、涼子は優しく笑った。
「少しお話し、よろしいですかーー?……そちらの、オジョーサン?」
「……いいわ」
そう言うと帽子の人は涼子の腕を引っ張り、どこかに連れていった。
―――…
「てことがあったんだよ」
「そうか…(リョーが…?)」
俺は顔を歪めた。
「(ブレイク、ジャレス・チークって…?)」
『ジャスは我の友人だ』
「(友人…?)」
『うむ。ジャスは魔界、妖界、人間界における有力な、いや、その全てを支配できる権力を持つものだ』
「っ(?)」
『つまり、偉いやつだ』
変な帽子。
白髪の長髪。
「ジャレス・チーク……」
「??」
涼子は一体何を話したんだ。
なぜ、現れたんだ。
何を見つけたんだ。
「悠太、行くぞ」
「は?どこに」
「保健室だよ、リョーに会いに行く」
「リョー?」
俺は鞄を持ったまま保健室に向かった。

