「実はな、刹那」
「ん?」
嬉しすぎて出た涙を拭き取る。
悠太は嬉しそうな声でこう言った。
「病院着いたらさ、傷が無かったんだよ!」
「……はぁっ!?」
『我のお陰だ』
「はぁっ!?」
「なんだよ刹那、二回も」
俺は二度もすっとぼけた返事をする。
なにがどうなっているのかわからない。
「だからなーそのー」
「(どうなってんだよ!)」
俺はなぜか優越感に溢れながら話す悠太を無視しながらブレイクに事情を聞く。
『だから我のお陰だ』
「(だーかーら!!なんでお前がそんなことできるんだよ!!あの場にいたわけでもあるまいし!!)」
『お前ではない、我が名はブレイク。大魔王だ』
「(ちっげーよっ!!、おいっ!)」
『念じた、とでも言えるな』
「(念じた?)」
俺は聞き返した。
いくらなんでも俺の中に在るブレイクが念じるなんて有り得ない、と俺は言い返した。
『有り得ない?今更何を』
「(あ、確かに)」
俺が頷くと悠太は不満そうに俺を見る。
「聞いてんのかよー」
「あ、わりぃ、で?なんだっけ」
「だからー柳田先生のこと!」
「リョっ…柳田先生がどうかしたのか?」
驚いた。
年上なんて興味ない悠太が涼子の名前を口にしたから。
「それがなー」
けど。
内容はそこまで明るくなかった。
「昨日、病院で変な帽子被った髪の長い奴に腕引っ張られてよー」
「えっ」

