『さすがであるな』
「(ん?)」
ブレイクの言葉に耳を傾けるが、視線は出来上がった朝食を笑顔で食べる家族たちに向けていた。
『やはり、我の目に狂いはなかったようだ』
「(それはどうも)」
少し照れた。
そして驚いた。
なんだか、ブレイクに認めてもらったようで嬉しかったし、改めてブレイクとの信頼度が高まった気がした。
『そして、意外だ』
「(何がだ?)」
『夜月晃汰だ』
「(兄貴がどうかしたか?)」
『忘れたのか?昨日の話を』
「(あぁ……)」
俺は兄貴を見つめた。
兄貴は楽しそうに母さんと父さんと笑い合っている。
こうして見れば。
いや。
兄貴は普通な人だ。
“悪”の奴等とつるんでいるようには到底見えない。
なのに。
俺は唇を噛んだ。
「(リョー…)」
涼子を悲しませている。
それだけは許せない。
俺は椅子に掛かっている学ランと鞄を持ちみんなに言った。
「行ってきます」
「あら、早いのね」
「刹那、食べないのか?」
母さんと父さんは俺に問う。
俺は頷き兄貴を見た。
すると兄貴は俺の近寄ってくる。
そして。
勢いよく口に何かを突っ込まれた。
「!?」
「腹、へっちまうぞ?」
口に入れられたのはウサギのリンゴ。
俺は笑顔で兄貴に言った。
笑顔、作れてたかな。
ぎこちなかっただろうか。
「ありがとう」
俺はリビングを出た。

