―――…
「はぁっはぁっ…」
風が吹き荒れる道。
街灯が時々足元を照らしてくれる。
―『主よ、邪悪な匂いがする』―
ブレイクのあの言葉に喉を詰まらせた。
しかも。
―『場所は、主の家だ』―
その言葉に体が勝手に動き出し、ベンチから立ち上がり、公園を出て、夜道に駆け出したのだ。
「はっ…はぁっ……」
もう家は目の前。
早く、もっと早く。
気が付けば一気にドアを開いていて、靴を乱暴に脱いで、リビングの扉を開けていた。
「っ…」
だけど。
「…セーちゃん?」
そこにはポカーンとした母さんはキッチンに。
同じく口を開けた父さんはコーヒーを片手にテーブルに。
頭に?を浮かばせた兄はソファーに。
「刹那、どーしたの?」
「え…じゃ、邪悪なにお………あっ、いや、なんでも…ない」
そう言って俺は顔を赤らめて俯きながら父さんのいるテーブルに近寄る。
「今日は肉じゃがよー♪」
「あっ、ひどー、母さん今度一緒に肉じゃが作るって約束したじゃーん!!」
「あ!!!そうだったー、ごめんね?じゃあ明日も肉じゃがにしましょうか」
「イエーイ★」
「明日もニクジャガ……」
俺が喜んだときソファーで兄貴が悲しそうにポツリと言った。

