「っなんなんだよ…!!」
悠太は痛みに耐えながら大声を張り上げた。
正直、今なぜこんなことが起こっているのか。
俺にもわからない。
それに。
「(……あれ…?)」
喉が、渇く。
どうしてだろう。
今、この場に置いて、適切な言葉じゃないけど。
「(…まあ、いい)」
俺は悠太に駆け寄った。
悠太の腕からは次々と血が溢れていく。
「(マズイ、このままだと、悠太が…)」
すると何かが空から降ってきた。
それはしなやかに屋上のフェンスの上に降り立つ。
びくりと体を反応させて振り替える。
そこには見覚えのある、奇妙な人物。
「(こいつ……!)」
金髪の長い髪。
血液のように赤黒い瞳。
女性と思われる、華奢な体。
それに悪魔のような尻尾。
そう。
俺が1時間目に見た、空中に飛ぶあの人。
「っ!!」
ギロリと俺を睨む赤黒い瞳。
思わずゴクリと喉を鳴らす。
背中に嫌な汗が伝う。
女性は俺を睨んで動こうとはしない。
「(な、なんなんだ!?コイツは!!どうして何もしてこないんだ…??)」
長い沈黙が流れた後、女性は眉をピクリと動かした。
女性はフェンスから飛び降りる。
するといきなり俺の前でひざまづき、頭を下げた。

