俺は今日の事を全て、悠太に話した。
早起きの事。
夢、悪夢の事。
変な低い声の事。
瞬間移動の事。
空に浮かぶ女性の事。
全部。
だからさすがに1時間では話しきれなかった。
そのため2時間目までサボる事になったのだ。
「……へぇ…」
さすがの悠太も険しい顔をして目を伏せた。
なんだか、また世話をかけちゃうかなーと、しみじみ思う。
だが。
「お前、中2病とかか?」
真剣な顔をして悠太は俺にそう言った。
「(あぁ、やっぱり)」
やっぱり、悠太にもわかってもらえないのか。
気持ちが落ちた。
なんだろう。
わからない。
でも。
俺は俯き、頭をかいた。
「(さすがに、きついなー)」
苦しかった。
悠太はわかってくれると。
悠太だけは。
わかってくれると思ってた。
だけど。
「(中2病……)」
それに。
「(もっと違う言い方とかあるだろうが、ちくしょー…)」
はぁっと、溜め息を吐いた。
悠太はそんな俺を困った表情を見る。
俺はそれに気付き、笑って誤魔化した。
「……んだよー、どうせ俺は中2病ですよーー」
「……わりぃ、それしか言えなくて…」
「は?別にいいって」
俺はありがとなと、悠太の頭を撫でた。
もちろんのこと。
悠太は嫌がっていた。
「殺されてーのかっ!!てめぇは!!」
「嫌だなーー★照れないでよーゆーたくん♪」
「死ね」
「いやん♪」
俺は悠太のパンチを笑いながら避ける。
するとお互いに笑いあった。
だが、その時。
『奴等が来る』

