『そんな顔をしなくてもよいではないか』
「うん…」
「けどよ…」
「そうですよー零しゃま♪」
その声に零は顔を青ざめ叫んだ。
「んでいんだよっ、てめぇ!!」
「てへ★」
この狭い馬車の中、零の前に玄武がいた。
「てへ★じゃねぇよ!!コノヤロー!!!!」
「あら、楽しそうじゃない」
すると朱雀も現れた。
「すっ、朱雀!?」
「楓大丈夫?時雨も」
朱雀は二人を心配し、玄武は零にすり寄り、狭い馬車の中は密度が高い。
ガツンガツンとぶつかる体が痛い。
「俺って……かわいそうだなぁ…」
『まぁ良いではないか、皆、笑っていて』
よく見れば、さっきまで泣いていた二人も笑顔になり、嫌がる零も笑顔だった。
「そうだな。別にいっか」
俺は微笑んだ。
母さん、父さん。
俺にまた友達ができたよ。
だけど、これからもっと増やそうって思ってるよ。
だから、安心してて。
母さんと父さんの分まで、俺、頑張るから。
強く、なるから………。
俺たちはセントラル学園まで、にぎやかな馬車の中、揺れていた。

