パタン…
旦那様の部屋の扉を閉め、そこに立ち尽くす俺を旦那様は手招きをし、俺は旦那様の向かい側のソファーに座った。
「…あの、話とは…?」
「楓のことだ」
「っ…」
俺は息を飲んだ。
「…昔、楓と時雨が門の所に寄り掛かって寝ていたんだ。2人とも反り血を大量に浴びていた…」
俺は時雨に聞かされた話を思い出した。
「余りにも酷くてね……、体が冷たくて必死に応急処置をとったんだ」
旦那様は机の上に肘を付き、続けた。
「…時雨も楓も、我が子と同じ様に育ててきた………だけど」
旦那様の瞳の色が変わる。
「楓に潜む力に気付いた時、私たちは怯えた」
「っ」
「私たちがいつ、その力で殺されるのか、その力を制御できるのか、とね」
すると旦那様は恥ずかしそうな顔をして笑った。

