「皆様、本日は私の為に御越しいただき誠にありがとうございます」
会場が喚声でいっぱいになる。
舞台を見れば、そこには松竹梅の旦那様と奥様、並んで松竹梅のお嬢様の湖乃美。
俺たちも並んでそれを見つめていた。
あれから、朱雀の主になった楓と俺と零は、会場に向かった。
ブレイクは偵察に行ってくるといい、どこかに行ってしまった。
「(偵察偵察って……今日は任務じゃないって言ってたんじゃないのかよ…)」
俺はふと、楓に視線を向けた。
でも楓はただ舞台の湖乃美を見つめているだけ。
隣の時雨は零と何やら話をしていた。
すると俺の頭に疑問が生まれた。
「楓ちゃん」
「ん?」
「楓ちゃんって時雨に“お嬢様”って言われてたよね?」
「うん、言われてるね」
「どうして?」
疑問だった。
話を聞けば幼なじみのようだし、もともとここの、松竹梅の人でもない。
なのに、どうしてお嬢様なんだろうかって。

