「……僕は凄く悔しいんです…!!」
時雨は俯き、歯を食い縛った。
大切な者を守り抜くために、時雨は身体を張って戦った。
きっとそれは、俺には到底できないことだ。
でも。
だから。
この子―――楓ちゃんは今ここに実在するんだ。
嫌な過去も、苦しい現実と共に今ここに在る。
なんて、残酷なんだ……。
俺は眉を潜めながらそう思っていた。
すると、零は俯きながら口を開いた。
「……許せねぇな…」
「…!?」
零は時雨に歩み寄り、力強く見つめる。
「…お前、スゲェよ」
「っ…」
「大事な人を、体張って守って、逃げもしないで戦った……スゲェじゃん」
零は続けた。

