「そち、四神の民か?」
「………ぇ…?」
楓は泣きじゃくりながら小さく答える。
小刻みに震えるその体を見て、赤い髪の男はニヤリと口角を上げた。
「楓っ…!!」
「うるせえ奴やなぁ」
ッ……――
楓が振り向いた時にはもう、紅い華は舞い散っていた。
もう、言葉も出てこない。
四神の民?
なにそれ。
魔法の道具?
万能な気持ち?
何でもいい。
何でもいいから。
今は。
今は。
今は。
「……時雨を…助けたい…」
楓の目に、炎が灯った。
この景色の炎でない、煌めく炎が。
そして涙を流し、楓は炎の中を、踊った。
「ああああぁぁ!!!!」
光に満ちた不思議な道具で。
紅い夜の中、紅い華を散らし、楓は舞う。

