俺たち陰陽師!!!!!



その言葉に時雨と女の子は驚いて、こちらを向く。

「あのさ、愛しあってんのは別に構わねぇけどよ、オレと刹那は今ココにいんだよ」

「あっ、愛しあってなんかっ!!!」

女の子は顔を真っ赤に染めて叫んだ。
そして時雨の腕から逃れる。

「時雨はただの護衛人っ!!そんな関係じゃないもん!!」

そう言って女の子は顔を手で覆ってしゃがみこんだ。

「……(何こいつ、マジ、ウケるんだけど)」

零はそう思い、目を細めて小さく笑った。



「刹那………」



すると時雨がポツリと俺の名前を呟いた。
それに俺たちは気付いた。

「時雨…?」

「お嬢様……覚えてますか…?」

「…?」

「あの“紅い夜”、敵軍にいた奴の言葉を…」

「……………っ…!」

時雨の言葉に女の子は何か思い出したように、青ざめた顔で頷いた。

「なんだよ、“紅い夜”って……」

俺は聞き返した。
時雨は言うのを躊躇ったが、深呼吸してから話し出した。

「それはまだ、お嬢様も僕も、幼かった頃です――――」